« 2006年8月 | トップページ | 2006年10月 »

2006年9月28日 (木)

胃底腺ポリポージス

Photo_8 しばらく異常のないかたばかりの検査が続いたために、更新できなかったが、今日は、胃のポリープについてお話しする。

この写真では、3ミリから4ミリくらいの小さなポリープが写っているがおわかりだろうか?

Photo_9

ポリープがいっぱい出来る病気は、二種類である。
ほとんどは、胃底腺ポリープ、もうひとつはポリポージスとよばれるポリープが沢山出来る病態である。ポリポージスには、家族性、ポイツイエーガー、若年性、クロンクハイトカナダ症候群などがあるがめったに出会わない。

胃底腺ポリープは、口に近い領域に出来るポリープで、すべて過形成ポリープで、なかに空胞(空洞)があるのが特徴。
萎縮がないきれいな粘膜にできる。女性に多く、加齢で増加傾向になるが、それほど密生しない。
癌化しないので、放置しておけばいい。胃の検診でよくみつかるが、心配することはないとお話している。

2006年9月15日 (金)

内視鏡のトラブル

胃の内視鏡を例にとってもトラブルは、必ずある。医者の世界では偶発症と呼んでいるが、普通に言えば、トラブルである。よく、医療事故の記者会見で、あってはならないことが。。。。なんてやっているが、あんな馬鹿げた発言はいい加減にやめようよ、と言いたい。すべての医療行為にはある確率で事故が起こる。相手が生身の患者さんだから、体調や薬の影響や病気のできた場所などが事故の遠因だと考えている。

だからこそ、内視鏡の検査の際は、十分な説明と同意が必要だ。当院では、かなり前から内視鏡の検査の前には十分な問診を行い、同意書を頂いている。トラブルの時に聞いていない、では患者さんに失礼だ。

Photo_7 今日の内視鏡画像である。患者さんは、脳梗塞の再発予防のためにアスピリンを服用されている。胃の調子が悪いので、検査を希望された。アスピリン潰瘍が予想されるケースだ。三日ほど内服をやめていただいて、検査を行った。予想通り潰瘍が出来ている。それほど大きくなので、心配はなさそうだ。念のため組織検査を行った。かん子という小さな採取装置でむしりとってくるのだが、、アスピリンを内服していたため、なかなか血が止まらない。ダラーを沁みだしてくる。ここで終了してしまうと、帰宅してから吐血したり、とんでもない事故が起こるのである。
そんな時に、絶大な威力を発揮するのが、止血クリップである。機械的に挟んで止めるために、まず成功する。今日のケースも念のために三個のクリップをかけて、完全に止血を確認して終了した。トラブルは必ず、起こりえるが、そのあとの処理がうまくいけば、事故は未然に防げる。
病院では、この種の処置は日常だが、開業医では、煩雑な手技のために出来るクリニックはまず無い。スタッフがよほど慣れないと出来ないのだ。

2006年9月14日 (木)

胃粘膜下腫瘍

今日の症例は胃粘膜下腫瘍である。Gist

読んで字の如し。粘膜の下に位置した腫瘍である。がんは、粘膜から発生するので、表面の粘膜に異常所見があらわれる。それに対して、この病気は、粘膜のもっと下のほうから発生してくるために、内視鏡で見ただけではなにかは分からない。

組織を調べることはまず不可能で、推測するしかない。

こうした病気に、威力を発揮するのが、超音波内視鏡である。EUSと略することが多いが、いまではかん子(組織をとる器具)をいれる穴から小型のプローべを入れて観察が可能である。

どんな組織が多いか?
筋肉に似た紡錘形細胞が見られるために、かつては子宮筋腫のような筋腫と思われていたが、細胞の由来をしる検査法…C-kitという手法が開発されてからは、病理学的な診断が一転してしまった。現在では、GIST…gastrointestinal stromal tumor 消化管間葉系腫瘍と呼ぶようになった。

良性、悪性の区別
きわめて難しい。細胞の分裂している数などで決めるのだが、手術材料でもない限り不可能である。一般的には、大きさである。急速に大きくなるものは悪性とシンプルに考えればまず間違っていない。5センチもあるようなものは絶対手術である。

この写真の患者さんでは、腫瘍は、かん子を広げた大きさ、約6ミリくらいである。10年間経過を見ているが、大きさは不変で、まず間違いなく良性と考える。

鑑別診断にはどんなものがあるか?
胃の上のほうでは、カルチノイド(粘膜の深層からでる悪性のポテンシャルをもつ腫瘍)
胃の下のほうでは、迷入膵などである。

2006年9月 8日 (金)

変わった胃炎

Ifp 通常、胃炎と呼んでいるものは粘膜が赤くなっているようなものをさす。しかし、胃炎の分類は病理学なもので分類するのが本筋である。我々も便宜的に内視鏡で見て赤い部分があるから胃炎といっているが、正式病名ではない。

内視鏡分類では、榊先生や星原先生の分類が有名である。しかし、内視鏡の分類は臨床上役に立つことは無く、あくまで分類にすぎない。

今回の患者さんの内視鏡像である。胃の前庭部がもこもこと隆起しており、表面もところどころ赤いところがある。
組織学的には、繊維増生がある胃炎である。Inflammatory fibrous poyp(IFP)である。

ポリープを呼ぶが必ずしもポリープの形態をとらない。もっこりした隆起はだんだん大きくなることもあり、ひどいケースでは、十二指腸側へ落ち込むものもある。

原因は、不明。。。しかし、癌化は無いので経過を見ていれば良い。

2006年9月 6日 (水)

すい癌マーカー

新しいすい臓がんマーカーが開発されたと今日の新聞に報道されている。もし実用に耐えるなら大変な研究だ。http://www.asahi.com/health/news/TKY200609050389.html

早期診断は不可能とこのブログに書いたが、早期のすい癌(実は早期癌という概念はすい臓がんには無いのです)で、上昇するなら治癒する可能性が出てくる。
しかし、この報道には重大な名ところが抜けているので、医者が読むと何ともいえない。

癌マーカーには特異度と感度がある。
特異度…もし上昇すれば、特定の癌である可能性が高いという指標。この成績がいいのは、PSA(特異的前立腺癌マーカー)である。CEAやCA19-9という腫瘍マーカーは、大多数の消化器系の癌で出現するので、特異度は低い。

感度…ある値を設定し、それ以上であると癌である可能性が高いという意味。たとえばCEAは2.5ng/mlだが、それ以上だと何らかの癌である可能性が高い。感度の設定は難しく、しきいを下げれば癌じゃないのもいっぱい引っかかるし、しきいを上げれば見逃しが出る。

今回の新しい腫瘍マーカーの報道では、特異度、感度ともに記されていない。そもそも早期の癌など無いので、すい臓がんの患者さんからはかなりの率で陽性になっただけだろう。すなわち特異度は高いと推測される。あとは、早期で出るか。。。。研究を待とう。

2006年9月 5日 (火)

食道狭窄

本日、内視鏡を行った患者さんの画像です。春に胃癌の手術を受けられ、胃全摘となりました。Photo_6
術後の体重増加が思わしくなく、食事がどうも入りにくく、つかえたかんじが続いてました。
通常の繋ぎ目(吻合部)はもう少し広く、食道側と同じ太さですが、この患者さんでは、瘢痕狭窄を来たし、狭くなっています。ときどき、こうした現象が起きますが、手術は器械で繋げるので、患者さん側になりやすい体質があると思われます。
このような場合、広げてやる治療法があります。

①バルーン(風船)
②高周波メス
③レーザーメス

メスで広げると同じようなことが再発する可能性が高く、効果は弱いですが、バルーンで広げる方法をお勧めすることが多いです。

ちなみにこの方の術前の内視鏡はⅡc進行形で、小さいのですが、出来た場所が悪く、胃の大湾側で、見つかった時には進行がんであり、即座に手術してもらいました。こんなときにあまりに有名な病院などへ行くと平気で二、三ヶ月待ちなんていわれます。そんなにゆっくりしていたら手遅れになります。がんにもゆっくり構えていいがんとなるべく急いで手術したほうがいいがんがあります。急ぐときに何とかしてくれる先生(外科のほうですが)を一人や二人知っていないと、患者さんの寿命が細ります。Photo_5

« 2006年8月 | トップページ | 2006年10月 »

熱中症のHP

2009年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

子供の救急

  • こどもの救急
    夜中に子供さんがおかしいと思ったとき、まずこのページを読んでから対応しましょう。 なんでも救急病院へ行かなくてはと考えている人も多いのですが、殆どは翌日かかればいい病気です。

院長のすきなHP

無料ブログはココログ

最近のトラックバック